研究テーマ
野生動物の微生物学・栄養生化学
Laboratory of Wildlife Microbiology and Nutritional Biochemistry,
College of Bioscience and Biotechnology, Chubu University
中部大学牛田研究室・土田研究室
応用生物学部・教授 牛田一成 中部大学HP
応用生物学部・講師 土田さやか 中部大学HP
応用生物学研究科・大学院生 Anne Marit Vik
応用生物学研究科・大学院生 袴田将仁
目標:高い水準のフィールドワーク(フィールドサイエンス)と高い水準のラボワークの融合(経緯の説明)
目標:生きた微生物を捕まえる(私たちの考え方)

●_JICA草の根技術協力事業に採択されました
⇒_プロジェクト紹介ページへ

●202203私たちの研究室から2年連続で、卒業生が動物園に就職しました。
●富山市ファミリーパーク動物園と協力して、ヨウムの保全研究にサントリー世界愛鳥基金の助成を受けます。
●202109国費留学生のアンさんが、朝日新聞の「ひと」欄に取り上げられました。ライチョウの腸内細菌研究をするノルウェー人留学生
●202107土田講師が若手女性研究者を対象とした伊藤早苗賞を受賞しました。伊藤早苗賞
●202107土田講師らの研究がJSTの英語版科学新聞に取り上げられました。JST科学新聞7月28日
●202105腸内化学環境によって屋久島のニホンザルの群れを区別することができました。論文は、こちらから JVMS誌へ
●202104テングザルから新種の乳酸菌を発見しました。論文は、こちらからIJSEM誌へ
●飼育野生動物栄養研究会2020 中部大学で開催しました。
●飼育野生動物栄養研究会2019 中部大学で開催しました。
●ライチョウの食糞行動の意義の解明に成功しました。草食の鳥類の食糞の科学的解明は世界初です。論文は、こちらからJVMS誌へ
●NHKドキュメンタリー番組で,土田さやか講師(当時、京都府立大学特任講師)と実施したガボン共和国での調査が取り上げられました。
国立動物園を考える会シンポジウム アフリカ地域研究会 日本モンキーセンター京大モンキーキャンパス6月10日
哺乳類学会一般公開シンポジウム 飼育野生動物栄養研究会設立大会 飼育野生動物栄養研究会中部大学大会
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http://www.isc.chubu.ac.jp/ushida/yaseieiyou_poster2021.jpg
最近の研究
(→Researchgate)に論文情報を掲載しています

宿主と腸内細菌の共進化
→詳しい情報は、野生動物の腸内細菌研究のページへ
(1)霊長類
野生および飼育ニシチンパンジー(Pan troglodytes verus)、野生チュウオウチンパンジー(Pan troglodytes troglodytes)、野生および飼育ニシローランドゴリラ(Gorilla gorilla gorilla)、野生マウンテンゴリラ(Gorilla beringei beringei)から腸内細菌を分離し、ヒトの腸内細菌とゲノム情報の比較をすることで、ヒトの進化に対する腸内細菌の適応を明らかにしようとしています。
(→調査地の概要)
(新聞報道 ゴリラの新規ビフィズス菌発見)
(2)イノシシ科
これと平行して、日本の養豚場で飼育されるヨーロッパ品種のブタ(Sus scrofa domesticus)およびアフリカの寒村で放し飼いにされているアフリカ種ブタ(Sus scrofa domesticus)、野生および飼育イノシシ(Sus scrofa scrofa)、野生および飼育のアカカワイノシシ(Potamochoerus porcus)、野生および飼育のイボイノシシ(Phacochoerus africanus)、野生および飼育のモリイノシシ(Hylochoerus meinertzhagen)の腸内細菌を分離比較することで、イノシシ科動物の家畜化と腸内細菌の適応を明らかにしようとしています。
(3)アフリカゾウ
アフリカゾウのうち、熱帯雨林に生息するシンリンゾウ(Loxodonta africana cyclotis)の腸内細菌の研究を始めています。これは、山極寿一さんとガボンの森で仕事をする中で、同じ単胃動物で後腸発酵をする果実食葉食動物であることから、彼らが同所的に暮らしているガボンの森では、共通する腸内細菌もさぞかし多いだろうということから始めました。すでに、ゴリラと共通するビフィズス菌を分離しています。
(3)ニホンライチョウ
(→環境省環境研究総合推進費)の補助を受けています
(→朝日新聞報道 2015/9)
(→NNN報道2015/12)
(→朝日新聞報道2016/2)
(→岳人 6月号 (2018年) 「岳人プロファイル 腸内から見えてくる新たなリアル / 牛田 一成」で紹介されました。
絶滅が危惧されるニホンライチョウの域外保全のため、かれらの厳しい野生生活をささえる力を持った野生ライチョウの腸内細菌を分離し、飼育個体にプロバイオティクスとして利用する研究を進めています。NNNのドキュメンタリーでは、短いですが、番組の最後に立山野外調査の様子を紹介していたきました。
氷河環境やアイスコア中の抗生物質耐性菌の分布
(→2013年朝日新聞報道)
(→2015年朝日新聞報道)
人間の産業活動が環境に与えるインパクトを評価する目的で実施しています。検出される耐性遺伝子は、アミノグリコシド系、テトラサイクリン系、フェニコール系、ベータラクタム系など広範囲にわたり、医療、獣医療(家畜生産)、農薬などの使用から広がっていることを示唆します。北半球の氷河雪の汚染度は高く、カルバペネムのような比較的新しい抗菌剤に対する耐性遺伝子も中国西部やヒマラヤの氷河の積雪から検出されます。
南緯70度以南の南極圏は、ここに気流の境目があるために、比較的清浄に保たれているように見受けられますが、同じように気流の分かれ目のある極北では、広範囲な汚染が認められました。
(→2010論文)
(→2013論文)
野生動物の耐性細菌汚染
極北では、欧州や北米から渡ってくる鳥なども、環境中に耐性菌を散布する原因と考えられ、欧州の研究者を中心に研究が進められています。人間社会や産業活動との「距離」が野生動物の抗菌剤耐性菌汚染を説明すると考えられます。そこで、ガボンの森に棲息する野生ニシローランドゴリラの群れを研究対象としました。それぞれの群れの生息遊動域に入る川の上中流に比較的大きな村や畑が存在する場合と、上流の山には現状で人間活動の痕跡のない場合を比較しました。その結果、人間活動の影響を水系を通じて受けている可能性が高い群れのゴリラからは、多剤耐性菌が検出されるのに対して、人間活動の影響を受けていない群れからは、全く検出されませんでした。
→地図の表示
(→ ゴリラ多剤耐性菌の論文)
過去の研究
大腸フロラの分子生態学的解析・宿主の腸内菌への生理応答
反すう胃におけるメタン生成の制御・大腸における硫化水素生成の制御
嫌気性糸状菌の繊維繊維分解システムの解析
過去の出張記録
出張記録アメリカメタン漫遊記(Mar 1999)
内容が正しく表示されない場合はこちらのPDFファイルをごらんください
フィールド調査日記「ゴリラの森でうんちを拾う」を出版しました(June 2012)
出張記録ブータン氷河調査2002


→→氷河微生物の公表論文(1)はこちらから
→→氷河微生物の公表論文(2)はこちらから
→→氷河微生物の公表論文(4)はこちらから

→→氷河微生物の公表論文(3)はこちらから
ネパール氷河微生物調査2008
ネパール・ランタン谷・ヤラ氷河で試料採取をします。ここで標高5500mくらいです。

清浄条件で、雪や氷の試料をとるために、こんな服装になります。とても息苦しいです。
出張記録 ガボン・ムカラバ・ゴリラ調査2009-2014
ガボン・ムカラバのゴリラ
Papa Gentil
Upindaくん
→「簡単報告書」JICA-JSTプログラムに参加。
JST-SATREP報告書
出張記録ギニア・ボッソウ・チンパンジー調査2004-2008
ボッソウのチンパンジーなど
Fokayeくんです。
ジャングルの中。
観察拠点の小屋。
PamaとPeley親子
→ 簡単報告書(事業番号 013 2004/07/26-2004/08/22 共同研究 牛田 一成 野生チンパンジーの調査 ギニア(ボッソウ)を探してください)
→ ボッソウチンパンジーのガム食に関する考察
→ ボッソウチンパンジーと飼育下チンパンジーの腸内細菌の比較
出張記録シエラレオネチンパンジー調査2006
→「簡単報告書」
大型類人猿の腸内に生息する原生動物に関する研究(事業番号18-058)
研究報告はこちらです。
ボッソウチンパンジーの腸内細菌や食べ物の研究と保護活動をしています
出張記録ギニアチンパンジー調査2008
→世界で初めて、野外環境で野生チンパンジーの腸内細菌を単離することに成功しました。
ガボンゴリラ調査
→世界で初めて、野外環境で野生ゴリラの腸内細菌を単離することに成功しました。
リンク切れの場合は、ご容赦ください
京都大学山岳部と京都大学学士山岳会には過去の登山活動も掲載しています。
左:カンペンチン峰の朝焼け(Oct 1981)
右:ベースキャンプの昼下がり(April 1982)
左:梅里雪山 右:ムロン氷河の乱氷帯(標高3000m付近)
Ypeng氷河アイスフォールの突破(May 1991)