持続可能な開発(発展)のための教育=ESD.

 ESD(イーエスディー)は、「持続可能な開発(発展)のための教育」(Education for Sustainable Development)の略称です。その名の通り、持続可能な開発(発展)を実現するための教育を意味します。
 持続可能な開発(発展)とは、過度の経済成長主義によって引き起こされた環境破壊や社会の不公正に対抗するための考え方です。その根底には、社会の発展は、「将来の世代の欲求を満たしつつ、現在の世代の欲求も満足させるような開発(発展)」であるべきだとする原則があります。この原則は、1987年に国連が設置した「環境と開発に関する世界委員会」(委員長の元ノルウェー首相、ブルントラント女史の名前をとって通称ブルントラント委員会と呼ばれる)によって提示され、今日に至るまで国際的な共通認識となっています。
持続可能な開発(発展)のための教育(ESD)は、国連の10年プロジェクトである「国連ESDの10年(2005年―2014年)」の開始によって、世界中でその取り組みがはじまりました。
 日本の実施計画では、ESDは「一人ひとりが、世界の人々や将来世代、また環境との関係性の中で生きていることを認識し、行動を変革するための教育」と定義されています。
持続可能な社会を実現するための第一歩は、一人ひとりが人類社会の持続可能性を脅かすさまざまな課題を理解することが必要です。そのため、対象となる分野は、環境教育、国際理解教育、文化や歴史教育など多岐に渡ります。そして、教育界、企業・経済界、市民社会など多様な主体(マルチ・ステークホルダー)の相互の協力のもと、グローバル・ローカルな複雑な課題を解決できる人材を育成すること、それが「持続可能な開発(発展)のための教育=ESD」です。


 ESDの学び合い(出典:ESD-Jの図を基に作成)

持続可能な開発目標=SDGs

 持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)とは、持続可能な社会をめざして、国連が2016年から2030年までに達成することを目標に掲げた17項目のゴールです。
 国連は、2015年の国連サミットにおいて、「持続可能な開発に関する2030アジェンダ」を採択しました。SDGsの達成は、その中心となる活動です。
 SDGsの17ゴールには、貧困、飢餓、健康・福祉などの社会問題、気候変動、生物多様性などの環境問題、経済成長、貧困、生産と消費などの経済問題が幅広く取り上げられています。
 これらのゴールは、相互に関連しているので、特定の分野や特定のセクターだけでSDGsの目標を達成することはできません。また、すべてのゴール達成に教育や学びは不可欠です。そのため、SDGsの達成に向けたESDの貢献への期待は高まっています。これまでにESDが培ってきたマルチ・ステークホルダーによる取り組みや、分野横断型で総合的な学びの手法をさらに発展させることが国際的にも求められています。

 
 SDGsの17ゴール(出典:国連広報センター)

 

 中部大学国際ESD・SDGsセンター設立の経緯は、2005年に国連が国連「持続可能な開発のための教育の10年(ESDの10年)」を開始したことに端を発します。
折しも、愛知県では、2005年日本国際博覧会(愛・地球博)が開催され、アジア地域における「ESDの10年」キックオフ大会も、この地、愛知県で開催されました。また、愛・地球博は、「ESDの10年」のリーディング・プロジェクトとして国際的にも高く評価されました。
 
 2007年5月には、中部大学が幹事機関となり、国連大学が進めるESDの地域拠点(RCE: Regional Centres of Expertise on ESD)に申請を行い、同年10月に認定を受けました。翌年2008年の1月には、名古屋大学など地域の他大学、行政機関、NGO/NPO、個人のネットワークなどと、中部ESD拠点協議会を発足させ、正式に中部ESD拠点が設立されました。
 こうした背景の中、中部大学でのESD・SDGs活動を本格的に始動させるべく、中部高等学術研究所を中心に、活動を進めてきました。そして、2009年4月に、稲崎一郎センター長を迎え、国際ESDセンターが発足し、2019年4月に国際ESD・SDGsセンターに名称変更しました。現在は、10名の委員から成る運営委員会において、活動内容を議論し、推進しています。
 

 国際ESD・SDGsセンターは、2009年4月1日に設立した中部大学国際ESDセンターを前身とし、国連ESDの10年が終了しSDGsが開始されたことにあわせて2019年4月1日に名称を現在のものに変更しました。

 センターの目的として、前センター長の宗宮弘明先生がいつもおっしゃっていた「次の世代の子供達に負担をかけない開発によって、社会の発展をめざし持続可能な社会を作る」ための活動を通し、そのように考え、活動できる人材を育成することがあります。私は建築分野でのエネルギー利用を専門としていますが、冷暖房、照明を使わなければエネルギー消費は極小化できます。しかし、今度は建物の中が暑かったり寒かったり暗かったりで、暮らしにくい、仕事ができないという損失が発生します。単独の目標の達成だけを目指していては全体の最適化になりません。
 国連SDGsでは17の目標と169項目のターゲットが示されているように、多くの分野での影響を考え最適な解を探さなければいけません。当センターでは、このように多面的に考えるために、学生の活動支援および地域・関連組織との連携活動を行っていきます。

 学生の活動支援は、学生へ適切な情報を提供し、それぞれの専門分野を基礎に幅広い視野を取り入れ、論理的に考え判断ができるようにすることです。ESD、SGDsの啓発活動を行います。学生たちの活動は、毎年開催される研究・活動発表会で公表しています。

 連携活動は、中部ESD拠点協議会、愛知学長懇談会などの活動で、フォーラム、シンポジウムにて、この地域での持続可能な発展について、多方面の方々との交流・意見交換を行います。これらを通して国内外の組織との連携、活動の拡大へ展開していきます。

 幅広い学問領域をカバーする7学部からなる総合大学である強みを生かして、リアリスティックに考えて活動して行きたいと思います。
 このホームページ等を通して発信していきますので、皆様の参加を歓迎します。
  

山羽 基

 

 
 

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